“アルシア”という世界を治める白き王。 アルシア庇護下にある“シトワーデン”では、このところ不審事件が多発していた。 崩れ始めた秩序に憂いを落としながら、静かに雪が染めていく。 獣を連れた歌う少年に、一人の少女は投げ掛ける。 「この世界は、美しいのです」 それは、白き光も黒き影もよく知った、追憶の少女が紡いだ言葉。 ──これは、とある場所にある、とある歴史の、記憶《想い》の物語。